2006年05月19日 Fri

雨の日の憂鬱【日記】

雨が、僕をあざ笑うかのように降り続ける。


授業を終えた僕は教室をあとにし、降りしきる雨のなか、傘をさして図書館へと向かった。ああ、ジーンズが濡れる、カバンが濡れる。雨の日は本当に憂鬱。しかし、少し調べものをしなければならないので、僕は図書館へと向かいました。晴耕雨読って言葉もあることだし、図書館で本を借りて部屋で読むのもいいかも知れない。


ほどなく図書館の入り口に到着。ぼろぼろのサイフから、ちょっと割れてる学生証を取り出し、改札みたいなところに入れて館内へと入りました。


いきなり話がそれるけれど、2年ほど前、友人の進学した大学の図書館に潜入を試みたことがあるんです。友人が学生証を通してゲートが開いたときにふたり同時に入れば大丈夫だろう、と思って。でも、司書の人に見られててすぐに捕まってしまいました。そして司書のお姉さん、冷たい目でこう言い放った。

「ここの学生の方ではないですね?」

「いえ、ここの学生ですがきょう学生証を忘れてしまって」と、言い逃れようとする僕。

「学部はどちらですか?」

「文学部です」

「ちょっとこちらへ」

その大学、文学部がなかった

それで事務室みたいなとこにふたりとも連れて行かれて、なんか反省文みたいなの書かされてヘコんだなんていう思い出があるんだけど、いまの僕は違う。後ろめたいことなど何もなく、図書館にも入れるし本だって借りれるんだ。僕はもう、あの頃の惨めな浪人生ではないんだ。そんな幸せを噛み締めつつ館内へ。


そして早速、目的の本があるコーナーへゆきました。その本というのは『岩波哲学・思想事典』。こんなの、よっぽど変わった人間じゃなければ一生手に取ることもないんじゃないかというマニアックなものですが、あいにく僕は変わった人間ですので、こういう本も必要とすることがあるのです。


さて、哲学の事典などが揃った棚へとやってきました。目につく本の背表紙は、どれもこれも、僕の生まれる前からこの世に存在しているだろうというボロさ。その中でもひときわ重厚な存在感を放つ『岩波哲学・思想事典』。


もう、本というよりはブロック、ブロックというよりは直方体のこの本。むかしバチカンの図書館で、修道僧たちが棚の掃除をしているときに棚が壊れ、数キロもある古代や中世の本が頭上に降り注いで僧数名が亡くなるという事故があったらしいけれども、この事典も頭上に振り下ろせば凶器になりうるであろう重さです。それを手に取ろうとしたわけ。

そのときですよ。

あろうことか、そこに別の人物の手がにょきにょきと伸びて来て、その事典を鷲掴みにしたの。そしてそれを拉致して机まで連れ去って行ってしまったの。ようするに、先に取られちゃったの。

雨だけど、青天の霹靂。

いや、哲学の棚に人がいることすら珍しいことです。それに、普段あまり見られることもないであろう『岩波哲学・思想事典』ですよ。それを、さあ手に取ろうとして視線を向けた瞬間に他のヤツに取られるって、ソクラテスもびっくりだわ。

その事典は貸し出し禁止で、館内での閲覧用だったので、それを拉致ったチャラチャラしたソクラテスも、すぐに棚に返すだろうと思ったの。もしくはコピーだけ取ってすぐ棚に返すだろうと思ったの。

そしたらそいつ、机に事典を置いたかと思ったらおもむろにポケットから携帯を取り出して、取り憑かれたように親指を動かしている。しばらく様子を見ていたのだけれど、事典の方は完璧に放置プレイだ。許せねぇ


それでもしばらく、棚の影から幽霊のようにそのソクラテスと放置された事典を見守っていたのだけれども、そいつ、メールしたりイスにもたれてくつろいだりしてばかりで、棚に返すどころかなかなか本を開く段階にすらたどり着かない。

(くそっ、事典で殴りつけたろかこらっ!だからその事典をおれによこせこらっ!)

僕はソクラテスに容赦ない罵声を浴びせかけました。心の中で。

しかし待っていても無駄っぽいので、その場をあとにした僕。負けた。


でも、そのまま帰るのも空しいので、文庫本コーナーをしばし物色し、おもしろそうな本を2冊ほど発見。貸し出しカウンターへ。司書のお姉さんが機械で1冊目のバーコードをピッと読み込んだとき、脇にあるモニターを見て冷たい目でこう言い放った。

「あの、現在4冊延滞されていますので新たな貸し出しはできません。期限を2週間過ぎていますので、早めに返却してください」

忘れてた。先週の、演習での発表のために借りた本、借りっ放しだった。晴耕雨読とか思ってたけど、こりゃあ無理だ。やめやめ。帰ってネットでもやろ


雨が、僕をあざ笑うかのように降り続ける。
posted by グレエ at 20:27 | Comment(4) | TrackBack(0) | edit


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この記事へのコメント
わt
Posted by けい at 2006年05月20日 02:41
失敗。
私は友達から借りた図書館の本を延滞したことがあります。
最悪だ。
Posted by けい at 2006年05月20日 02:43
僕もたまにそういうことあります。
曇っているときに外に出ると雨が降るんですよ。泣きたくなる。
Posted by at 2006年05月20日 22:20
>けいさん
僕は図書館で本を借りると80%くらいの確率で延滞してしまいます。いつか貸してくれなくなるんじゃないかと不安です。

>光さん
きょうは近畿地方は晴れて気持ちのいい1日でした。しかしもうすぐ梅雨。泣きたくなる。
Posted by グレエ at 2006年05月21日 00:05
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